2023年度の中学入試が終わりました。
今年度の御三家の中学受験の算数の問題はどうだったのでしょうか・・?
今年御三家算数の傾向と来年度以降に向けた対策をまとめてみたいと思います。
この記事を書いた人:さば先生
中学受験の塾講師として18年。今までの教えてきた生徒数は3000名以上。教室長としても複数教場を運営後、算数の教科責任者として若手の育成や教材作成を手掛ける。現在は東京の有名塾の管理職かつ現役で教壇に立ち続けています!
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【2024年中学入試】2023年の御三家の算数はどう?有効な対策は?開成中学
2023年度:開成中学の算数のポイント
今年度の開成中学を一言で表すとかなり問題は易しめでした。
まずは平均点を見てください。
国語 | 算数 | 社会 | 理科 | |
合格者平均点 | 55.6点 | 76.4点 | 57.9点 | 61.5点 |
受験者平均点 | 49.0点 | 61.7点 | 53.9点 | 56.9点 |
算数だけすごい差だ…
算数が中学受験においてとても大切だということがよく分かりますね!
算数の満点は85点の開成です。
85点の満点に対して合格者の平均はなんと76.4点です。
ほぼ9割近く取らなければならない入試でした。
問題が易しくなったのはコロナの影響だという方もいます。今年の受験生が本格的に受験勉強を始めた3年生のときにコロナが流行りはじめたため十分に勉強できなかったことを考慮している可能性もあります。
よく問題が易しいと合格者と不合格者で差があまりつかないという人がいますがそれは間違いです。実は問題が簡単なほど差が付きやすくなります。今年より問題の難度が高かった昨年度の算数の合格者と受験者の平均点の差は10点ほどでした。簡単だった今年よりもその差は小さいです。
そしてもう一つは問題数の変化です。
ここ数年の開成中学の算数の入試問題は大問が3つ、もしくは4つでした。
ところが今年度の大問は5つでした。
これは20数年ぶりの問題構成となっています。
入念な準備をしてきた受験生の中には少し戸惑ってしまった子もいるかもしれません。
2024年度以降の開成中学への対策法
先ほどと矛盾してしまうかもしれませんが、2023年度の大問が5つになったからといって戸惑ってしまうようでは開成中学への合格は難しいでしょう。
なぜなら開成中学の入試問題は「ビックリ箱」といっていいほど何が出てきてもおかしくないからです。
どんな傾向にも対応できるようにしておくことが必要です。
ですので、比較的どの模試でも安定して好成績を取れる子が向いている学校だと言えるでしょう。
そしてどの単元も抜けなく、そして塾のテキストを全部解くぐらいのつもりで勉強していきましょう。
塾の勉強以外にプラスで勉強するのであればZ会の志望校別予想問題の講座の受講をおすすめします。
Z会の通信教育 小学生コース\開成の予想問題が的中! /
詳しくは下の記事もご覧ください。
【2024年中学入試】2023年の御三家の算数はどう?有効な対策は?麻布中学
2023年度:麻布中学の算数のポイント
今年度も麻布らしい出題でした。
麻布らしいとはどういうことかというと小設問の関連性が非常に強いということです。何んとも麻布らしい問題でした。
大設問の中で(1)を使って(2)を解く、あるいは(1)(2)を使って(3)を解くという設問の流れを意識することがとても大事な学校です。
もちろん麻布以外の最難関校や難関校でもそうですが、特に麻布はこの要素がとても大きい学校です。
初見でも問題のルールに沿って問題を解き進めていくと、解法の糸口が見えてきます。
過去問を使って設問の流れを意識しながら解く訓練が非常に重要ですよ!
そしてもう一つ!
麻布は試験時間が60分に対して大問が6つあります。
ということは一題を10分か!
スピードと時間の計画性を持つことを意識しなければいけません。
2024年度以降の麻布中学への対策法
麻布中学の入試問題を子供に解かせると、問題の向き・不向きが強く表れるのが麻布中学の算数です。
この理由がまさに設問の流れを理解して素直に誘導に乗れるかどうかの差です。
僕は素直だから麻布に受かっちゃうかも…
すごく自由なイメージが強い麻布だけど、入試問題の解法については素直に問題作成者の意図に沿って解く必要があるんですね!
言葉だけを聞くと簡単ですが、これがなかなか小学生には難しいのです。
教材としてはその流れを意識しながら過去問を解いていくことが最善です。
問題の流れを意識しながら解くということがなかなかうまくできない子は麻布出身の先輩に頼ることも作戦の一つです。
麻布らしい発想や解法は麻布中学の卒業生とお話をするのが一番です!
近くにいればいろいろお話を聞けますが、そんな都合よくいないわ、という方は家庭教師などで麻布出身の先輩を探してみましょう。
もしも麻布対策で家庭教師を探しているようであれば、麻布出身の先生をおすすめします!
ここの家庭教師センターなら先生の出身校もすぐに分かるのでオススメです。
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【2024年中学入試】2023年の御三家の算数はどう?有効な対策は?武蔵中学
2023年度:武蔵中学の算数のポイント
武蔵中学も大きく問題の傾向は変わっていません。
武蔵と言えばある程度入試で出題される単元が決まっていることが特徴の一つです。
数の性質、速さ、平面図形、場合の数、条件整理(推理)、比の文章題
ほぼ上に書いた単元から問題が出題されるといっても良いでしょう。
え、じゃあ武蔵対策って簡単なの・・・?
実はそういう訳でもないんだよね…
それから忘れてはいけないのは、武蔵は途中式や考え方をしっかりと書かせます。
途中経過を書く訓練をしっかり積んでおきましょう!
私は直接、実際に採点をしている先生に聞いたことがあります。そのときおっしゃっていたのは「きれいな字を書く必要はない」、ただし「丁寧に書きましょう」とおっしゃってました。武蔵の先生たちは子供たちの頑張った答案を見て生徒の文字の解読をがんばってしているようです・・。
2024年度以降の武蔵中学への対策法
さきほど武蔵中学は入試で出題される単元が限られていると言いました。
しかし、だから対策が簡単という訳ではありません。
一つひとつの単元の本質まで理解し、理解をしておく必要があります。
数の性質、速さ、平面図形、場合の数、条件整理(推理)、比の文章題は絶対にできるようにしておく必要があります。
これらの単元は過去の塾の教材も引っ張り出して問題を数多く解いておきましょう。
もし一つでも不安があるのであれば、家庭教師、もしくは個別指導塾を活用しましょう。
家庭教師で苦手単元を克服するのなら
集団塾と個別指導塾の併用なら
【2024年中学入試】2023年の御三家の算数はどう?有効な対策は?まとめ
2023年度の御三家の算数はどうだったのか、また2024年度以降に向けた対策法をまとめてみました。
開成中は大問数は増えましたが、各問題の難易度は下がり高得点勝負の入試になりました。
麻布中学、武蔵中学は例年通りの傾向でした。
麻布は問題の流れにうまく乗ること、武蔵は頻出単元の抜けを作らず、また一つ一つを深く理解しておく必要があります。
対策としては
開成中学はどの単元、どの形式でも点を取れるようにしておくこと。
仕上げに的中問題も出しているZ会の志望校別コースがおすすめです。
Z会の通信教育 小学生コース麻布中学は過去問題を徹底的にやり、問題の誘導にうまく乗れるようにしておくこと。
武蔵中学は普段の学習で1問1問をしっかり理解をすることと頻出単元で絶対に抜けを作らないことです。
それが困難な場合は、麻布中学や武蔵中学は家庭教師や個別指導塾を上手に活用していきましょう。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
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