今回は算数の重要単元の速さから「時計算」を分かりやすく説明していきます。
この時計算ですが、簡単に言うと
長針と短針の追いかけっこです!
だから速さの単元で登場するんですね。
ちなみに「時計算」の他に「通過算」、「流水算」の3つは速さの特殊算と呼ばれています。
時計算は図を描くことが大切です。
意外と子供達って円がうまく書けませんので、このスタンプはオススメです。
しかも分刻みなのが良いですね!
他の2つの特殊算はこちらから
この記事を書いた人:さば先生
中学受験の塾講師として18年。今までの教えてきた生徒数は3000名以上。教室長としても複数教場を運営後、算数の教科責任者として若手の育成や教材作成を手掛ける。現在は東京の有名塾の管理職かつ現役で教壇に立ち続けています!
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【中学受験算数】速さの特殊算!時計算の基本
時計算は速さの旅人算と同じ
時計算は速さの問題です。
時計をよく見るとずっと長針が短針を追い続けてるよね!
確かに!
いつも追いかけっこしてるね!
追いかけっこということは、A君がB君に追いつくのは何分後ですか?
という速さの「旅人算」とまったく同じ考え方ができるはずですね!
時計算=速さの旅人算
時計算が苦手な子が多いワケ
時計算はただの「旅人算」なのに苦手としている子が多いです。
その理由は以下の通りです。
- イメージがしづらい
- 出てくる数字が汚い
時計算が苦手な子が多いワケ:イメージがしづらい
普通の旅人算は人間が動くので何となくイメージはできるのに、時計は主人公が針なのでなかなか小学生にはイメージがしづらいようです。
ですので、慣れるまでは図をたくさん書いてみましょう!
時計算が苦手な子が多いワケ:出てくる数字が汚い
短針の動く角度が1分で0.5度なので小数の計算はもちろん、わり算も出てくるので分数もうまく活用していくことになります。
計算がめんどくさい!
そして頑張って計算した結果・・・
答えの数字も汚くなる!
ことが多いのが時計算。
算数嫌いな子供たちはこの数字を見ただけでやる気がなくなってしまうのです…
これはすごく分かる気がする…
【中学受験算数】速さの特殊算!時計算で絶対に覚えておくこと!
時計算の問題を解くうえで絶対に覚えておくことをお話しします。
まずは、それぞれの針の動く速さからです。
長針と短針の動く速さ
長針は1時間(60分)で360度回りますね。
長針は1分で360÷60=6度進みますね!
短針は1時間(60分)で30度進みます。
短針は1分で30÷60=0.5度です。
ふむふむ…
ここまではOKです!
大事なのは長針と短針の動く速さの差
長針と短針の1分で進む速さは分かりました。
A君!長針はどっち向きに回る?
え…
右回りです。
短針は??
…右回りです。
すごく当たり前のことですが、長針も短針も右回りですよね。
時計回りって言われているから当たり前なんですけどね(笑)
つまり、長針と短針は同じ向きに回るわけですから旅人算と同じで「速さの差」に注目します。
計算をする時に便利なので11/2度という分数を覚えておきましょう!
【中学受験算数】速さの特殊算!時計算の代表的な問題
時計算の代表的な問題を3つご紹介します。
- 🔲時🔲分のときの短針と長針の作る角度のうち小さい方の角は何度?
- 🔲時台で長針と短針が重なるのはいつですか?
- 🔲時台で長針と短針が90度になるのはいつですか?
【中学受験算数】速さの特殊算!時計算の代表的な問題:🔲時🔲分のときの短針と長針の作る角度のうち小さい方の角は何度?
🔲時🔲分の時の短針と長針の作る角度を考えてみましょう。
例えば7時26分の時の角度を出してみます。
まずは7時のときを考えます。
時計回りに何度かを考えるのがポイントなんですね!
ちなみに…
時計のひとつの数字と数字の間の角度は360÷12=30度ですよ!
7時の時は、長針から短針に時計回りに30×7=210度離れています。
7時から長針が短針に26分近づくと考えましょう。
1分で11/2度(5.5度)近づくわけですから26×11/2=143度追いつくことになります。
よって、7時26分の時の長針と短針の作る角度は210-143=67度です。
おーすごい!
そんなに難しくないかも…!
【中学受験算数】速さの特殊算!時計算の代表的な問題:🔲時台で長針と短針が重なる時刻はいつですか?
長針と短針が重なる時刻を求める問題です。
例えば2:00~3:00で長針と短針が重なる時刻を求めてみましょう!
さっきと同じでまずは2時の時の長針と短針の角度を出すのかな?
そうだねA君!
さっきと同じだよ。
2:00の時、長針と短針は時計回りに30×2=60度はなれている。
長針は短針に1分で11/2度近づきますね。
よって、長針と短針が重なるのは60÷11/2=120/11=10と10/11分となります。
数字は汚いけど考え方は簡単だよ!
【中学受験算数】速さの特殊算!時計算の代表的な問題:🔲時台で長針と短針が90度になる時刻はいつですか?
この問題はちょっとしたテクニックを使うと楽に解けるよ!
5:00~6:00で長針と短針が作る角が90度になる時刻(2回)を求めなさい。
まずは今まで通り5:00のときの図を考えてみましょう。
ここか長針と短針が動いていって90度になる時を探すわけですが・・・
・・・・・・・・・・・・
……ダメだ。。
長針も短針も動くからワケが分からな~い(泣)
この問題を解くためのポイント!
短針を止めて考える!!
短針を止めて長針だけ動かすと分かりやすいですね。
実際には短針も動いているので11/2で割ることになります!
90度になるのは
1回目は(150-90)÷11/2=10と10/11分
2回目は(150+90)÷11/2=43と7/11分となります。
片方を止めて考えるというのは実は時計算だけではなく、他の算数の問題でも使うことができます。
特に点の移動で点P,Qが登場した時に点PやQの片方を止めて考えることはよくあります。
ここまでできるようなったら実践練習あるのみです!
【中学受験算数】速さの特殊算!時計算のまとめ
今回は速さの特殊算のひとつ「時計算」について大事な部分を説明しました。
時計算は速さの旅人算と考え方は同じです。
長針が短針に追いついていくと考えれば難しい単元ではありません。
長針と短針の速さの差である11/2を上手に使っていくことが大切です。
代表的な3問はしっかり確認してできるようにしておきたいですね。
- 🔲時🔲分のときの短針と長針の作る角度のうち小さい方の角は何度?
- 🔲時台で長針と短針が重なるのはいつですか?
- 🔲時台で長針と短針が90度になるのはいつですか?
この3問をマスターすれば応用問題も戦えるようになりますよ!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
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