中学受験特有の速さの特殊算の中で、今回は通過算を取り上げていきます。
中学受験では速さの特殊算といえば3つあります。
この中の通過算を解くためのポイントやパターンを分かりやすく説明します。
通過算は特殊算の中でもポイントを押さえれば解きやすいと思いますよ!
この記事を読めば通過算の基本はマスターできますよ!
時計算はこちら
流水算はこちら
この記事を書いた人:さば先生
中学受験の塾講師として18年。今までの教えてきた生徒数は3000名以上。教室長としても複数教場を運営後、算数の教科責任者として若手の育成や教材作成を手掛ける。現在は東京の有名塾の管理職かつ現役で教壇に立ち続けています!
twitterで中学受験のお役立ち情報を毎日発信中!フォローお願いします。
【中学受験算数】速さの特殊算!通過算のポイント!
通過算を解く上で押さえておきたいポイントを説明します。
【中学受験算数】速さの特殊算!通過算ってなに?
通過算は人や鉄橋、トンネルなどを通過する問題です。
だいたい算数の問題は電車で出てくることが多いです。
普通の速さの問題と何が違うのかというと
おーなるほど。
長さがあるものが動くのは難しそうだな…
【中学受験算数】速さの特殊算!通過算を解く前に・・・単位換算を!
まず通過算を解く前に出来てほしいことがあります。
それは、速さの単位換算です。
う、出た……
とりあえずこれだけはってやつだけにするから頑張ろう!
通過算で多く使う単位換算は
時速⇒秒速 秒速⇒時速
通過算の問題は電車がほとんどなので問題文では時速で出てきます。
しかし、電車が人の前やホームを通過するのは時間ではなく秒の世界ですよね。
だから問題を解くためには、時速を秒速に直すことが必要になります。
時速⇒秒速 秒速⇒時速
時速を秒速に直すためには
kmをmに直す→60で割る(分速にする)→さらに60で割る(秒速に直す)
うー--
何か難しいな……
よしわかった!
じゃあもっと簡単に説明しよう!
おー!
3.6というのだけを覚えておけばいいんだね!
これはよく使うから覚えちゃっていいね!
【中学受験算数】速さの特殊算!通過算を解くためのポイント
通過算は動くものに長さがあるのが特徴です。
この長さ(距離)を考えることが通過算を解くためのポイントになります。
通過算は図を書く
慣れるまでは図を書きましょう!
ん??
300m、いや500mか…??
電車の移動した距離を考えるときはポイントがあるんですよ!
通過算を解くためのポイント
通過算は動くものに長さがあるから大変なんです。
であるならば、動いてるものを点としてとらえれば簡単です。
点が動いていると考えると簡単だねー!!
点の位置は電車のどこでも構いません。
今回は先頭から先頭までの長さを電車の動いた距離として考えていきます!
進んだ距離=電車の先頭から先頭まで!
【中学受験算数】速さの特殊算!通過算の代表的な問題
中学受験算数の速さの特殊算!
通過算の代表的な問題を5つご紹介します。
- 人、電柱、踏切などを通過する問題
- 鉄橋、ホームなどを通過する問題
- トンネルなどに隠れている時間を出す問題
- 電車と電車がすれ違う問題
- 電車が電車を追い越す問題
この5つをマスターすれば通過算の基本は完璧です。
これがマスター出来たら問題集でどんどん解いていきましょう!
【通過算の代表的な問題】人、電柱、踏切などを通過する問題
算数界では人とか電柱とか踏切は長さがないものとして考えます。
えっ…
算数って冷静に考えると変なことがあるんだよ…
問題:時速72km、長さ120mの電車が人の前を通過しました。通過したときにかかった時間は何秒ですか?
まずは時速を秒速に直しましょうね!
72÷3.6=20m/秒
÷3.6はさっき教わったやつだね!
では図を書いてみましょう!
電車が動いた距離は電車の先頭から先頭までの長さですよ!
よって120÷20=6秒となります。
【通過算の代表的な問題】鉄橋、ホームなどを通過する問題
次は長さのあるものが長さのあるものを通過する問題です。
問題:時速72km、長さ120mの電車が840mの鉄橋の前を通過しました。通過したときにかかった時間は何秒ですか?
先ほどと同じで72÷3.6=20m/秒
図に表すとこうなります。
電車が動いた距離は電車の先頭から先頭までの長さですよ!
よって(120+840)÷20=48秒となります。
【通過算の代表的な問題】トンネルなどに隠れている時間を出す問題
次はトンネルなどに隠れている時間を出す問題です。
問題:時速72km、長さ120mの電車が1200mのトンネルに完全に隠れている時間は何秒ですか?
速さは72÷3.6=20m/秒ですね。
図を書いていきます。
電車が動いた距離は電車の先頭から先頭までの長さですよ!
よって(1200-120)÷20=54秒になります。
いつも電車の先頭から先頭で考えればそんなに難しくないかも…
【通過算の代表的な問題】電車と電車がすれ違う問題
この問題は2台の電車が登場します。
2台とも長さがあって動くからこれは僕には無理そうだ…
2つの動くものがあるときは、算数のスペシャル奥義をつかえばいいね!
ス、スペシャル奥義…!?
2つのものが動くと分かりづらいので
1台を止めて考えます。
この技は時計算でも使いましたね!
問題:時速72km、長さ120mの電車と時速54km、長さ195mの電車がすれ違うのに何秒かかりますか?
1台が止まっていると考えてすれ違う時の図を書くと
電車が動いた距離は電車の先頭から先頭までの長さですよ!
1台を止めると図を書くのも簡単だね!
まずは単位換算です!
それぞれの電車の秒速は72÷3.6=20m/秒、54÷3.6=15m/秒
よって2台の電車がすれ違うのにかかる時間は
(120+195)÷(20+15)=9秒となります。
実際は2台とも動いているので最後は「速さの和」で割りましょうね!
【通過算の代表的な問題】電車が電車を追い越す問題
問題:時速54km、長さ195mの電車を時速72km、長さ120mの電車が追いこすのに何秒かかりますか?
それでは、この問題をも1台を止めて図を書いてみましょう!
あ、あれ…??
こっれさっきと図が同じじゃない?
よく気づいたね!
「すれ違う」ときも「追いこす」ときも図が同じなんですね!
先ほどのすれ違う時と電車の動いている距離は変わりません。
速さはそれぞれ秒速に直すと
72÷3.6=20m/秒、54÷3.6=15m/秒でしたね。
よって追いこすのにかかる時間は
(120+195)÷(20-15)=63秒となります。
実際には2台とも同じ方向に動いているので「速さの差」で割ればよいですね!
【中学受験算数】速さの特殊算!通過算を塾講師が分かりやすく解説!まとめ
今回は中学受験算数の中で特殊算と呼ばれている3つのうちの1つ「通過算」の基本を書きました。
まずは通過算を解く前に
- 速さの単位換算(時速⇒秒速、秒速⇒時速)をできるようにする
- 電車の動く距離は先頭から先頭で考える
そこが理解出来たら代表的な5問をできるようにしましょう!
- 人、電柱、踏切などを通過する問題
- 鉄橋、ホームなどを通過する問題
- トンネルなどに隠れている時間を出す問題
- 電車と電車がすれ違う問題
- 電車が電車を追い越す問題
計算問題に強くなるための秘訣はこちら
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント