今回は中学受験算数の速さの特殊算から「流水算」を説明します。
中学受験では速さの特殊算は3つあります。
流水算はこの3つの中では一番子供達には馴染みがないものです。
この記事を読めば流水算の基本はマスターできますので子供と楽しく読んでみてくださいね!
他2つの特殊算はこちらから!
この記事を書いた人:さば先生
中学受験の塾講師として18年。今までの教えてきた生徒数は3000名以上。教室長としても複数教場を運営後、算数の教科責任者として若手の育成や教材作成を手掛ける。現在は東京の有名塾の管理職かつ現役で教壇に立ち続けています!
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【中学受験算数】速さの特殊算|流水算の4つの登場人物(基本)
流水算に出てくる4つの登場人物をご紹介します。
- 船の静水時の速さ
- 川を上る時の速さ
- 川を下る時の速さ
- 川の流れの速さ
登場人物…
人じゃないね…。。
川の流れの速さはそのままの意味なので、その他の速さがどういうものかを簡単に説明していきます。
流水算:船の静水時の速さ
船の静水時…??
なんだろう?
一番なじみのない言葉かもしれません。
漢字を見れば分かります。
静(しず)かな水(みず)の時(とき)
川の流れがないところなので、湖の上なんかを船が進むときの速さですね!
お風呂でアヒルのおもちゃを動かす時の速さだね…
………うん。
普通に船の速さだと思ってもらえればOKです!
流水算:川を上る時の速さ
川を上る時を考えてみてください。
普通の速さより遅くなることは何となくイメージできますよね。
うんうん、それは何となく分かるよ!
算数の場合は遅くなる原因で重力等は考えません。
なぜ遅くなるのかというと船が上る時に川の流れに逆らうからです!
つまり川の流れの速さの分だけ遅くなります!
上る時の速さ=静水時の速さ-川の流れの速さ
流水算:川を下る時の速さ
川を上る時は川の流れに逆らうことになるので、川の流れの速さの分だけ遅くなります。
では下る時はどうでしょう?
下る時は速くなりそうだ!
そうだね!
下る時は川が押してくれるから速くなるね!
イメージは流れるプールと同じだね!
下る時の速さ=静水時の速さ+川の流れの速さ
【中学受験算数】速さの特殊算|流水算で覚えておくこと
流水算を解く上で覚えておくと便利なことが2つあります。
- 静水時の速さ=(上りの速さ+下りの速さ)÷2
- 川の流れの速さ=(下りの速さ-上りの速さ)÷2
流水算で覚えておくこと:静水時の速さ=(上りの速さ+下りの速さ)÷2
問題:ある船が川を上るのに時速20km、下るのに時速28kmで進みました。この船の静水時の速さを求めなさい。
上りの速さと下りの速さが分かれば静水時の速さを簡単に出すことができます。
あれ…
静水時の速さって上りと下りの速さの真ん中じゃ…??
そうだね!
平均と同じ感覚だね!
よって上の問題は(20+28)÷2=24km/時ですね。
流水算で覚えておくこと:川の流れの速さ=(下りの速さ-上りの速さ)÷2
問題:ある船が川を上るのに分速60m、下るのに分速100mで進みました。この川の流れの速さを求めなさい。
もう一度この図を見てください!
上りの速さと下りの速さが分かっている時は川の流れの速さも出すことができますね!
上りの速さと下りの速さの差に注目しましょう!
図から下りの速さと上りの速さの差が川の流れの速さ2個分になっています。
よって(100-60)÷2=20m/分となります。
【中学受験算数】速さの特殊算|流水算を解くための大事なポイント
流水算を解くための大事なポイントと代表的な基本問題をいくつかご紹介します。
流水算を解くための大事なポイント
流水算を解く上で大事なことは
上りの速さ、静水時の速さ、下りの速さ、川の流れの速さの4つをうまくまとめることです。
もちろん初めは線分図でも構いません。
慣れるまでは線分図を書いた方が良さそうですね!
慣れたら線分図なしでもできるようにしていきましょう!
【中学受験算数】速さの特殊算|流水算の代表的な問題
流水算の代表的な問題をいくつか取り上げてみます。
流水算の代表的な問題:4つの速さをうまくまとめてみよう!
問題①
問題:ある船が60kmの川を下るのに5時間かかります。川の流れの速さを2km/時とすると、この船の速さは時速何kmですか?
まずはこの船の下りの速さが出せます。
60÷5=12km/時です。
さてA君!
下りの速さは静水時に比べてなんで速くなるんだっけ?
え!
下りの速さは川の流れが押してくれるからだよ!
そうだね!OK!
下りの速さ=船の静水時の速さ+川の流れの速さ
よって船の速さは12-2=10km/時です。
問題②
問題:24kmの川を上るのに6時間かかり、下るのに4時間かかります。この川の流れの速さは時速何kmですか?
上りの速さと下りの速さが出ますね。
24÷6=4km/時・・・上りの速さ
24÷4=6km/時・・・下りの速さ
上りの速さと下りの速さが分かったら
川の流れの速さを出したかったら…
川の流れの速さ=(下りの速さ-上りの速さ)÷2
よって(6-4)÷2=1km/時です。
流水算の代表的な問題:比を使う問題
比を使う問題も別に新しいやり方があるわけではありません。
問題③
問題:ある川を上るのに90分かかり、下りに18分かかります。川の流れの速さが50m/分だとするとこの船の静水時の速さは分速何mですか?
流水算は速さの問題と同じなので距離が一定だったら速さの比と時間の比の逆比が成り立ちますね!
川の距離を90として
上り 90÷90=1
下り 90÷18=5 と出す考え方も大事です!
上りの速さを①、下りの速さを⑤とします。
川の流れの速さと船の静水時の速さは以下の通りでしたね!
川の流れの速さ=(下りの速さ-上りの速さ)÷2
船の静水時の速さ=(上りの速さ+下りの速さ)÷2
川の流れの速さは(⑤-①)÷2=②
船の静水時の速さは(⑤+①)÷2=③です。
②=50m/分ですから、①=25m/分
よって船の静水時の速さは25×3=75m/分となります。
【中学受験算数】速さの特殊算|流水算まとめ
今回は中学受験算数の特殊算の中から流水算について書きました。
流水算で大切なことは
船の静水時の速さ、上りの速さ、下りの速さ、川の流れの速さの意味を理解してまとめること!
夏の時期だとぜひ流れるプールに行って感覚をつかむとより理解しやすいはずです!
今回の記事で流水算の基本は充分です。
ここからは比やダイヤグラムを使う応用問題も多く出てきます。
問題をたくさん解いて慣れていきましょう!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
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