いざ塾のカリキュラムも終わり、いよいよ憧れの志望校の過去問を手にして、時間をしっかり計って、適度な緊張感をもって解き進める・・・
うーん・・・
うーん・・・・
うーん・・・・・
ダメだ!ムリッ!!!
できないよ~~~~~~~泣
(ガーン・・・・)
いざ丸付けをしてみると想像通り、いやむしろ想像をはるかに下回る点数が・・・
なんて事が平気で起きるのが、始めて中学受験の過去問を演習した時です。
点数が取れないと悩んでいる人も多いかと思いますが、私から見ると大した問題ではありませんしビックリする事でもありません。
私は過去に生徒を3000人以上は見ていますが、算数で初めて過去問を解いたときにに0点を取った子も見たことがあります。
え・・・!
0点を取る子もいるのね・・。
まだうちの子はいいのかしら??
本当に算数がヤバイぞという人はコチラの記事もお読みください。
点数が取れなくても心配はいりません。
はじめはひどい状態でもそこから挽回は可能です。
でも心配は尽きませんよね・・・
- 過去問題ってどれぐらい点数が取れればいいのかしら?
- このままダラダラと過去問題を解いてればいいの?
- 過去問題はどこを直せば点数が上がるのかしら?
- 入試前は過去問題メインで勉強するのがいいの?
- いつ合格点に届けばいいの?
こんな悩みをお持ちの方はぜひ最後までお読みください。
過去問等でイライラが止まらない!というかたはこちらもご覧ください!
この記事を書いた人:さば先生
中学受験の塾講師として18年。今までの教えてきた生徒数は3000名以上。教室長としても複数教場を運営後、算数の教科責任者として若手の育成や教材作成を手掛ける。現在は東京の有名塾の管理職かつ現役で教壇に立ち続けています!
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過去問の点数はいつまでにどれぐらい取れていればよいか?
過去問を解いたはいいけど全然できない!
うちの子は合格者の平均点に達していない…
過去問が半分しか取れない・・・
もう志望校は変えないといけないかしら…
ちょっと待ってください!
合格者平均点なんて簡単にはいきません。はじめに半分取れてれば十分すぎます。
勘違いをされる方も多いですが中学受験は第一志望校は基本的にチャレンジですよね。
合格者平均点にはなかなか達しないのが普通です。
他の方が合格者平均点を超えた!とかあと8点!とかをSNSで見かけることもありますが、そういう子はもっと上の学校を本来は目指すべき子なのでお気になさらずに!
目安としてどれぐらいの時期にどれぐらいの点数が取れていればよいかをお伝えします。
合格最低点は過去の先輩たちが2月に取った点数です。あなたのお子様も2月にその点数に達していればいい訳なので10月、11月に合格最低点に達しないのは当たり前のことです。
解き始め~10月まで
この時期はなかなか点数が取れません!
自分の子だけができないと思いがちですが、小学生はすぐには過去問題で点数を取ることができません。
親の思っている点数の3分の2(半分)ぐらいしか取れないなんてことも普通です。
まずは過去問ってこんなもんか!
相手を知る、慣れるということに重きを置いてもらえれば十分です。
過去問の点数は右肩上がりで上がるわけではありません。
はじめはなかなか伸びず、直前にグイっと上がるイメージです。
小学生の過去問の点数は1次関数ではなく2次関数的に伸びるということは知っておきましょう。
特に理系で苦戦します。理系科目がなぜ点数がなかなか取れないかというと理系科目は1問を解くのに複数の要素が絡んでくるからです。また、習った知識・解法を頭の中から取り出すという作業に子供達は慣れるまでに時間がかかります。長い目で見る必要があります。
10月~11月
この時期は受験者平均点を目指しましょう!
合格者平均点ではありませんのでご注意を。
やっとこの時期にスタート地点に立つイメージですね。
え、この時期に受験者平均点で大丈夫なんですか?
この時期に受験者平均点まで達していれば合格の可能性は十分ありますよ!
12月~1月
この時期は合格最低点を目指しましょう。
合格最低点を超えるとかなりモチベーションアップに繋がりますね。
ただ、私は過去に合格最低点を一度も越えずに合格をした子も何人か見たことがあります。
子供は入試前日、入試当日、入試期間でもどんどん力がついていくものです!
この時期のオススメの過去問の勉強方法
ある程度、複数年度を解き終わると「ここができない」「あれが苦手」ということが分かってくるはずです。
例えば平面図形がいつもできないのであれば過去の問題5年分ぐらい平面図形だけをさかのぼって解くというのも効果的な勉強法です。横に解くのではなく縦に解くのもオススメなのでぜひお試しください!
過去問題はなぜ解くのか?
過去問題を上手に活用して合格を目指すために過去問題をなぜ解くのかを考えましょう。
過去問題をなぜ解くのか?
- 現状の力を把握するため
- 時間配分の練習
- 問題形式に慣れること
現状の自分の力を把握するため
実際に4科目を解いてみると
- 「合格最低点まであと何点」
- 「算数は合格者平均点までいったけど国語が受験者平均点以下だ」
- 「前回は理科のができたのに今回は社会の方がよくできた」
各科目で点数化されるので自分の今の力が分かります。
その結果を踏まえて
- 「国語の知識を頑張って覚えよう」
- 「地理で中部地方をもう一回覚えなおそう」
- 「理科は計算問題が多ければ解けるけど知識が多いと点数が取れないな」
とか今後の具体的な勉強の指針に繋げることができます。
なかなか点数が取れなくても心配はいりませんよ!
目標は「6年生の11月の終わりまでに受験者平均点を超える」位で充分ですよ。
時間配分の練習
各学校で問題数や試験時間は様々です。
余裕を持って一問一問にじっくり腰をすえて解く時間がある学校。
逆に急いで問題を解いていかないと時間が足りなくなってしまう学校と様々です。
その時間の感覚をつかむことが重要です。
時間に余裕がある学校なら「もう少し丁寧にやろう」「余った時間で計算問題をもう一度解いてみよう」とか次回の作戦を立てることができますね!
次の作戦を考えることが大事なんだね!
早く解き終わったとしても、決まった時間を最後まで解き続けること!
終わったから次の科目へ!はダメですよ。
過去問題をやる時によく「タイマー」を使う方がいますがあまりオススメしません。
なぜなら入試の時はデジタル時計は使用できないことが多くアナログ時計でを使うことになります。
これは冗談ですが、腕時計は3000円ぐらいのものでよいので買ってあげましょう!
入試にも持っていきますからね。
腕時計に慣れておくことも大事ですよ。
普段の勉強をする時のオススメ勉強法があります。第一志望校の試験時間に合わせて勉強をすることです。例えば算数と国語が50分、理科と社会が30分であれば、普段の勉強を50分単位で勉強しましょう。50分たったら10分休憩。そしてまた50分やって10分休憩‥‥を繰り返して勉していると本番の試験でも50分の感覚が体に染みついているので50分間集中して取り組めるようになりますよ。
問題形式に慣れること
3つ目は問題形式に慣れることです。
学校によってよく出る単元に偏りがあります。
解いていく中で「あれ、この単元前回も出てたな・・」「この問題、前にやった切り口で解けるんじゃないかな」とか感覚的に掴めれば十分です。
また途中式や記述が多い学校と少ない学校も解いていればわかるようになりますね。
この感覚を体に馴染ませていくことが大事です。
途中式や記述が多い場合は、書き方も大事ですが、「字が汚い」という子はここだけでもしっかりと読める字を書くようにしましょう!入試問題を作っているのは“数学”の先生です。数学は証明などは日本語も交えて説明しますよね。これは何人かの私立中学の先生に私が聞いた話です。「途中式は式だけではなく説明を言葉で書いてほしい」と言ってました。ここはしっかりと練習を積んでおきましょう!
字の修正にあわせて普段のノートの使い方も確認しておきましょう!
過去問題をやる際の注意点
過去問題をやる際に気を付けることは
できるだけ本番通りに行う
実は子供たちは環境や気分で点数がガラッと変わります。
よく模試などで間違えた問題を家でもう一度解いてみたらすんなりできたという経験はありませんか?
これも環境や気分によるものです。
これはあるあるだわ!
そこで以下のことに注意して演習をしましょう。
- 試験時間の短縮・延長は一切しない
- 正しい姿勢で行う
- できれば4科まとめてやる
- ときには自習室・図書館などを使う
- 腕時計で演習する
それでも気合が足りないなと感じたら…
- 上履きを履く
- 鉢巻を巻く
- 顔を洗ってから臨ませる
こっちは半分冗談ですが、子供が集中できる状態をどう作れるか、いろいろと試してみましょう!
過去問題を解いた後はどうする?
「過去問題を解く意味」の3つのポイントを掴めたら、そこまで「過去問命」になる必要はありません
なぜなら1度出た問題はもうその学校では出ないからです。
だからその問題にすごく時間をかけてまで、やり直しをする必要はないのです。
間違えた問題を3パターンに分けましょう。
- 正解した問題
- 間違ったけど解説を読んだら理解できた問題
- 間違ってしまって解説を読んだけど理解できなかった問題
間違えた問題を全部やり直せばいいのね・・・
いえ!違います!!
全部をやり直ししていたらとてもじゃないけど時間が足りません。優先順位をしっかりつけましょうね!
優先度が高いのは「間違ったけど解説を読んだら理解できた問題」です。
ここでのポイント
なぜその問題を間違えてしまったのかの理由を言語化し、次に過去問題を演習するときに具体的にどう取り組むかを考えること
これをできれば専用のノートを作ってまとめておきましょう!
このノートが入試の時には最高の参考書代わりになりますよ!
例えば、「通過算を頭の中でイメージをしながら解いたら、途中で頭の中がゴチャゴチャになってしまって間違えてしまった」のであれば、
次回は「通過算の問題が出てきたら、図を正確に書くようにする」などとノートに書いておくことです。
次にどうするかを具体的に言語化しておくことが過去問題のやり直しでは大事なことですよ!
第三者の目で見ることもときには必要です。
この時期になると家庭教師を活用する方も増えてきますが、過去問題のやり直しは家庭教師で!
という風に目的意識を持って利用するのが効果的です。
特に明確に志望校が決まっている!各科目の課題が分かっている!1点でも点数を取らせたい!という方は特におすすめです。
中学入試前は過去問題だけ解けばいい?
過去問ばっかりやってても受からない
「過去問題って大事なの?」と聞かれたらこう答えます。
「解かなければ受からないけど解いたから受かる訳でもない」
え~~~~
どうゆうことー-?
中学受験では過去問題が一番大切なわけではないって事だよ!
ややこしい表現で申し訳ないですが、過去問題はこんな位置付けです。
解いた方がもちろんいいけど過去問ばっかやってても受かんないよ!ということです。
先ほども言いましたが、資格試験などと違って中学入試は同じ問題は絶対に出題されることはないからです。
「中学受験においては過去問題が最優先ではない」ということは知っておいてほしいです。
最優先は今まで通り宿題がメイン
過去問ばかりに時間を取られて課題の克服であったり、レギュラーの勉強を疎かにする人がいます。
このケースに陥ると良い入試結果は出ません。
これは私が多くの生徒をみてきていつも感じていることです。
普段の勉強が大切なのは入試前でも同じなんですね!
過去問は後回しでも普段の宿題を最優先でやるぐらいがちょうど良いです。
もちろん例外もあって過去問題が大事な学校もあります。
出る単元がいつも決まっていたり、問題に癖がある学校も存在しています。
そういう場合は過去問題を優先するという場合もあります。
自分の子供が受験する学校はどうなのかは塾に相談をしましょう!
Z会で直前対策もできるので検討するのも良いですよ。
最後に
まず過去問題でなかなか点数が取れなくても心配はいりません。
というかそもそも点数を取れる子の方が稀です。
冬期講習の前(できれば11月中)に受験者の平均点を目指して頑張りましょう。
本文でご紹介した「過去問題の正しいやり方」を実践すれば点数は上がっていくはずです。
ただ気をつけることは、過去問題が最優先ではありません。
いつでも、大事なことは塾で出されている宿題や課題を取り組むことです。
ここを間違えると結果が大変なことになってしまいますよ!
お子様のご健闘をお祈りいたします。
子供が過去問を頑張っているあいだに親は併願校の入試パターンをじっくり考えるようにしていきましょう!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
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