今回は中学受験算数の途中式について書いていきたいと思います。
時期によって途中式の必要性は変わってきます。
- 普段の勉強では途中式を書くべきか
- 入試では途中式を書くべきか
普段の学習では基本的には途中式は書いた方が良いです。
ただし、そこにはメリットも当然ありますが、デメリットも存在します。
個々に合わせた最適解を見つけていきましょう。
親は子供に途中式を書かせたがりますが、必ずそれが子供の成績を上げることに繋がるわけではありません。
中学入試の直前や当日になると話は別です。
入試のときは、解答用紙に記入する学校であれば途中式は必ず書くべきです。
マイナスになることはひとつもありません。
また、今回は私が実際に採点をしている方に聞いた入試の採点時にはどういった点を採点者は見るかも書いていきます。
この記事を書いた人:さば先生
中学受験の塾講師として18年。今までの教えてきた生徒数は3000名以上。教室長としても複数教場を運営後、算数の教科責任者として若手の育成や教材作成を手掛ける。現在は東京の有名塾の管理職かつ現役で教壇に立ち続けています!
twitterで中学受験のお役立ち情報を毎日発信中!フォローお願いします。
【中学受験算数】途中式は書いた方が良い?|普段の勉強編
普段の勉強ではできるだけ途中式を書かせるようにしましょう。
ただし、子供によっては途中式を無理強いすることで成績が下がることもあります。
まずは途中式を書くことのメリット、デメリットを考えてみましょう。
途中式を書くことってメリットしかないんじゃないの…?
【中学受験算数】途中式を書くことのメリット|普段の勉強編
途中式を書くことのメリット
- ミスを発見しやすくなる
- 復習がしやすくなる
- 数学の勉強にもつながる
ミスを発見しやすくなる
途中経過を残しておけば
「あれお金の問題なのに答えが小数になっちゃった…」
といったときに途中式を残しておけば
「あーここで間違えた」ということに気づくことができます。
見直しも楽にできるね~!
復習がしやすくなる
習ったことを復習したいときに
「ここが分からなかったな…ここでミスをしてしまったな…」
途中経過が残っていれば、自分のできないところが明確に分かるので復習がしやすくなります。
途中式を書いておけば効率よく勉強できますね!
数学の勉強にもつながる
数学では複雑な式が多く出てきたり、証明問題もありますね。
小学校時代に頑張って途中式や考え方を書く練習をしておくと将来に役立つことは間違いありません。
途中式を書くことはメリットがいっぱいね!
数学にも役立つなんて素晴らしいわ!
【中学受験算数】途中式を書くことのデメリット|普段の勉強編
途中式を書くことのデメリット
- 問題を解くスピードが落ちる
- 思考のスピードが落ちる
- イメージ力をつける機会を失うこともある
「途中式を書かせたいのか」「成績を上げたいのか」のどちらでしょうか?
途中式を書いたからといってかならず成績が上がるわけではありません。「成績を上げたい」ということであれば、このデメリットも理解した上で考える必要があります。
問題を解くスピードが落ちる
途中式を書くことで当たり前ですが問題を解くスピードが落ちます。
これは途中式を書かないで解く子にはとてもストレスになります。
途中式は書かなくてちゃんと頭の中に式を思い描いていますので。
めんどくさがり屋とは違います。ただのめんどくさがり屋であればしっかりと途中式を書かせる練習をさせましょう。
思考のスピードが落ちる
よく字が汚い子の特徴として頭の回転と字を書くスピードを比べたときに頭の回転の方が速くて字が汚くなってしまうことがあります。
それと同じで途中式を書くことによって思考のスピードを遅くしてしまうことがあります。
途中式を書かせるか思考スピードを取るかのどっちを取るか悩ましいわ…
イメージ力をつける機会を失うこともある
これは途中式というか途中経過の話になります。
図や表を書くことはとても良いことです。
でもそれを頭の中に思い描くことができるのならばそっちの方が断然良いことです。
こういった自頭を鍛えることはとても大切なことですね。
【中学受験算数】普段の勉強で途中式は書いた方が良いか?まとめ
普段の勉強で途中式を書くべきか?
これの答えはその子によるです。
できるだけ書いた方が良いですが、絶対に書かなくてはいけないということでもありません。
ぜひお子様の状況に合わせて判断をしてください。
正直に言ってしまうと出来る子はあまり途中式や途中経過を書かないことが多いです。
もし途中式を書かせることになっても高校生や大学生のような完璧なものは求めてはいけません。親が思っている以上に子供にとって途中式を書くことは大変です。ぜひその辺は大目に見て完璧は求めないようにしましょう。
普段、途中式を書かないという選択をした場合、入試のときに途中経過を書けないのではないか?という疑問も出てくるでしょう。でも基本的に途中式を書かなくても問題を解ける子は優秀な子です。だから入試の直前にでも少し練習すれば簡単に書けるようになります。そして、途中経過を頭の中でやっている子はむしろ解法・思考がより整理されているので良い答案を書くことができるので心配はいりません。
【中学受験算数】中学入試での途中式の書き方のポイント
普段の学習では途中式にはメリットだけではなくデメリットもあるということを書きました。
うちの子がどっちが良いかを見極めなければいけないわ…
ぜひお子様のタイプに合わせて選択をしましょう。
では入試のときはどうでしょうか?
最近は中学入試で途中式や考え方を書く場面は増えてきていますからね…!
中学入試で途中式は書いた方が良いの?
解答用紙に書く場所があるのであれば絶対に書くべきです。
解答用紙の途中式や考え方の欄は書いてプラスになることはあってもマイナスになることはありません!
書いて減点になることはありません。
過去問を解くときも途中式や考え方を書く時間ももちろん考慮した上で問題をしっかり解きましょう!
過去問で苦戦している方はこちらもご覧ください。
中学入試での途中式の書き方のポイント
中学入試で解答用紙に途中式を書くときの大事なポイントをまとめます。
- 最初と答えになる式は必ず書くこと
- 図や表、グラフをできるだけ書く
- 式だけではなく日本語も交えて説明する
- 順序だてて書くこと
途中式を書く欄に書いてはいけないもの
- 筆算
筆算は問題用紙の余白などで計算するようにしましょう。
最初と答えになる式は必ず書くこと
よく子供がやりがちなのは問題文に出てくる数字を使わずに、勝手に頭で計算してそれを式に書いてしまうことです。
例えばりんごが120円、なしが130円、みかんが40円です。全部でいくら?
250+40=290円←これはあまり良くありません。
250円は問題文には書いてありません。
頭の中で勝手に計算をしてはいけないということだね!!
特にはじめの計算式は120+130+40=290円と問題に書いてある数字を必ず使いましょう。
図や表、グラフをできるだけ書く
できるだけ視覚に訴える図や表、グラフなどを書きましょう。
ただ学校によっては途中経過を書く欄が小さいのでスペースと配置をしっかり考えた方が良いです。
わかる!あとは字の大きさにも気を付けないと書ききれないんだよなー!
この辺も過去問を解いていく中で意識的に練習していきましょう。
式だけではなく日本語も交えて説明する
式だけではなく日本語の説明も交えるようにしましょう。
ただそこまでこだわる必要はありません。
問題集や参考書のような解説が理想ですがそこまでのものを書くことは厳しいでしょう。
採点者に伝われば大丈夫です。
そんなすごいものではなく、なんでその式がでてきたのかの簡単な説明があれば十分です。
順序だてて書くこと
当たり前のことだけどできないのが小学生。
左に書いて右に書いて上に書いて右に書いて左に書いて…
これ意外と多いんです。
うっ……
ちゃんと左上から右下にいくように書きましょう。
ここは親が注意深く見てあげる必要があります。
計算問題の途中経過を書かせる学校があります。できれば=(イコール)を左に揃えて書くようにしましょう。算数ではそこまでこだわって塾では指導をしませんが採点をするのは数学の先生だということを忘れないようにしましょう。
私立学校の採点をしている先生のお話
いくつか私が今までに私立中学の先生にお聞きした採点の話です。
- 最初の式と最後の答えになる式を見ている
- 図があれば加点
- 計算ミスでもやり方があっていればほぼ〇にする
- ポイントとなる式が書いてあれば加点
- 途中で出てくる大事な数字が出ていれば加点
- 考え方は式だけではなく言葉で説明して欲しい
このほかには
何か書いてあればとりあえず途中点をあげるという学校もあります。
とりあえず入試においては途中式や考え方を書いた方が良いですね。
ある学校は途中式を書かせるのに一切見ないという学校もあります。ただし、本当にこのパターンはごく少数ですので基本的には途中経過は書いた方が良いです。
【中学受験算数】途中式ってどう書くの?普段と入試で気をつけること|まとめ
普段の学習と中学入試で途中式は書くべきか?
普段の学習では子供によって判断する。
メリット・デメリットを考えた上で決めましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
ミスを発見しやすくなる 復習がしやすくなる 将来の数学にもつながる | 問題を解くスピードが落ちる 思考のスピードが落ちる イメージ力をつける機会を失うこともある |
できるだけ書かせる方が良いですが必ず書かなければいけないわけではありません。
入試時の途中式の書き方
- 最初と答えになる式は必ず書くこと
- 図や表、グラフをできるだけ書く
- 式だけではなく日本語も交えて説明する
- 順序だてて書くこと
ぜひご参考にしてみてくださいね。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント