今回はいよいよ受験学年である6年生の年間スケジュールの立て方で大事なポイントを紹介します。
毎年、6年生まで勉強を頑張ってきたのに、残念ながら中学受験撤退の道を選んでしまう方もいます。
一番の原因は「親と子供の意識の差」です。この記事を読んで小学生とはこういうものだと知っておくだけでだいぶ楽になりますよ!
私は今まで多くの家庭を見てきました。
そのなかで、ご家庭で心がける、気をつけるポイントがいくつかあります。
時系列ごとに1年間の流れにそって説明していきます。
この記事を書いた人:さば先生
中学受験の塾講師として18年。今までの教えてきた生徒数は3000名以上。教室長としても複数教場を運営後、算数の教科責任者として若手の育成や教材作成を手掛ける。現在は東京の有名塾の管理職かつ現役で教壇に立ち続けています!
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【中学受験】6年生の年間スケジュール|新学年になったら(2月~3月)
新学年になったらしておくべきこと・気をつけること
- 受験生なんだから…は禁句
- 志望校の(およそ)確定
- 習い事の調整
受験生なんだから…は禁句
塾のほとんどが2月から新学年になりますよね。
そうなると小学校では5年生なのに塾では6年生になります。
塾でも家でもこんなセリフが増えていきます。
受験生なんだから…
でも子供達にとって受験ははるか先のものであり「受験生なんだから…」でやる気が出る子はいません。
わかるわ~
あくまで新学年は塾の都合上の話です。
まだまだ遊びも許される時期であることを忘れてはいけません。
志望校の(およそ)確定
受験生になったので、志望校はある程度決めておきたいところです。
目標なしにこの1年間を乗り切ることはとても大変ですからね。
6年生なのである程度、現実的な志望校を選びましょう。
- チャレンジ校(今の偏差値+5~+10)
- 実力相応校(今の偏差値±2程度)
- おさえ校(今の偏差値-5)
この時期であればとりあえずこの3つがあれば十分です。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
習い事の調整
私は5年生までは習い事も並行して進めることには賛成です。
しかし、6年生では習い事との両立は厳しいのが現状です。
それでも、たまに夏までは習い事を続ける方もいます。正直スケジュール的に相当大変ですが…
できればこの一年間は勉強一本で頑張りたいところです。
習い事の調整を行いましょう。
中学生になるまでは我慢です!
【中学受験】6年生の年間スケジュール|前期(4月~7月)の過ごし方
4月~7月に気をつける事をいくつかご紹介します。
- 塾の宿題が第一優先
- 算数中心の勉強をする
- ルーティン学習を欠かさず行う
- 公開模試に挑戦
塾の宿題が第一優先
夏期講習まではなんだかんだいって総合というよりも単元を進める塾の方が多いです。
6年生になったからといっても特別な勉強をプラスする必要はありません。
塾で出される宿題が第一優先
今までと何も変わらないね…!
ただ扱う単元は超重要だから勉強量は少しずつ増やさないとダメだよ!
・・・・・・・。
算数中心の勉強をする
この記事でも述べましたが、中学受験は算数中心の勉強で間違いありません。
そしてまだ6年生のこの時期は他教科よりも算数を中心に勉強するべきです。
理社は足を引っ張らない程度の勉強で大丈夫です。後半の追い込み時期で間に合います。国語は自主学習ではなかなか伸びない科目だと思っています。ですので、算数中心の勉強をおすすめします。ここで算数の勉強時間を減らしてしまうと後でやろうと思っても後の祭りとなってしまいます。
ルーティン学習を欠かさず行う
この時期から毎日のルーティン学習を決めて行うようにしましょう。
もうやってるよ!という方もいるとは思いますが今一度内容の見直しをしていきましょう。
ルーティン学習はダラダラやらないことが大切です。ですのであえて時間のない朝学習がおすすめです!
朝なので30分~40分でテンポよくやりましょう!
おすすめは3つ
- 計算or一行題
- 漢字
- 理社の暗記もの
時間が確保できない人は一つを他の時間に回して二つでもいいので毎日頑張ってみましょう。
公開模試に挑戦
この時期から日程が合えば各塾で行っている公開模試にチャレンジしましょう!
公開模試によっては塾ではなく私立の学校が会場になっている場合があります。
会場は学校で受けることをおすすめします!より入試本番の気分を味わうことができますよ!
後期でも受けることはできますが、日曜日や祝日には志望校対策の講座が始まったりで日程調整が難しくなります。
HPをチェックしなきゃ!
公開模試については以下の記事にまとめていますので参考にしてみてください。
【中学受験】6年生の年間スケジュール|夏休み(夏期講習)の過ごし方
受験生として最後の夏休み。
どう過ごすのが良いのでしょうか?
- 夏は「受験の天王山」ではない
- 苦手科目・単元を把握する
- 実現可能な具体的目標を立てる
夏は「受験の天王山」ではない
ん…
天王山じゃない??
夏は受験の天王山とよく言われます。
夏だから子供が急に熱心に勉強をし始めるか?
NOです!残念ながらそんなうまい話はありません。
夏期講習は子供が家にいる時間も増えて、親のやらせたい勉強量と子供のやる勉強量の乖離が激しくなり、親子ゲンカが増える危険な時期でもあります。あらかじめ「受験の天王山」ではない!ということを知っておくだけでも気が楽になりますよ。
苦手科目・単元の把握をする
では夏期講習はどのように活用するのがベストなのでしょうか。
夏期講習は受験生の健康診断
夏期講習は「できるようにしよう!」ではなく、どこが出来てどこが出来ないのかをチェックする機会です。
でも、できないところはどうするんですか…?
それは9月以降でも十分に間に合います。何でもできるようにしようとすると、時間がいくらあっても足りませんし、子供がつぶれてしまいます。
実現可能な具体的目標を立てる
だからといってただ塾に行っていれば良いのか?と言われたらそれは違います。
しっかりと目標を立てましょう!
ここでの注意点はただひとつ!
「実現可能な具体的目標」を立てることです。
ダメな例
- 偏差値を10上げよう!
- 算数を得意科目にしよう!
- 苦手科目を克服しよう!
良い例
- 授業の確認テストで合格しよう!
- 宿題を忘れずにやろう!
- 漢字を毎日やろう!
これなら頑張れそうだ!!
夏休みは長いので子供のモチベーションを上げることを意識して目標を作りましょう。
達成出来たら思い切り「褒めてあげること」も忘れずに!
夏休みの過ごし方についてはこちらにくわしく書いています。
【中学受験】6年生の年間スケジュール|後期(9月~12月)の過ごし方
後期の過ごし方で気をつけことをお話しします。
この時期は親も子も一番きつい時期かもしれません。
もう少しです!頑張りましょう!
- 勉強バランスの見直しをする
- 時間の管理をしてあげる
- 過去問題演習スタート
- 「やる気スイッチ」に期待しすぎない
- 人によっては問題集・家庭教師も活用
- 模試の結果は慎重に!
勉強バランスの見直しをする
夏期講習であなたのお子様の苦手な分野・単元が把握できたはずです。
この時期からは科目ごとの勉強バランスは個々によって変えていく必要があります。
何が何でも算数という訳ではなくなってきます。
例えばこんな感じです。
- 今まで算国中心で勉強をしてきた
⇒理社の勉強時間を増やす - 理科の知識が詰まっていない
⇒算数中心で理科の勉強時間を増やす - 国語の漢字・知識が不十分
⇒毎日30分暗記の時間を確保する
悩む場合はこんなときこそ塾に相談しましょう!
時間の管理をしてあげる
とにかくこの時期は宿題以外にもやることが増えます。
子供に任せてうまくいく場合は本当に稀です。
子供が苦手としている時間の管理・計画は親が立ててあげましょう。
何でも詰め込みはやってはいけません。優先順位をつけてあげて全部ができなくても決して怒らないようにしましょう!
勉強量を増やすだけではなく削ってあげることも考えていきましょう。
過去問題演習スタート
いよいよ始まる過去問題演習。
いよいよ始まるのね…
ここで親の大きな勘違いが!
何度も言います!
「簡単に合格点なんて届きません!」
第一志望校の合格最低点を超えるのは早くて12月。
1月にやっと届くなんてことは普通です。
え~~~!
データは昨年の受験生の2月の数字なので、この時期に超えるなんて普通はないですよ!
過去問についてはこちらにくわしく書いています。
「やる気スイッチ」に期待しすぎない
子供のやる気スイッチはいつ入るの?
気になる方も多いですよね。
私はこんなtweetをしました。
実際こんなもんです。
夏期講習が終わって、過去問が始まったら急にやる気を出すなんてことはありません。
これを知っておくだけでも、親子ゲンカを減らすこともできるでしょう。
人によっては問題集・家庭教師も検討
そうはいってもやるべきことはやらせないといけません。
特にやるべきことが明確になっている場合(苦手科目や単元がはっきりしている場合)は問題集や家庭教師にピンポイントでお任せすることも検討すべきです。
やることが増えるのにこれ以上やることを増やすの?
と思うかもしれませんが逆です。
家庭教師をうまく使って要点だけを勉強して時間を短縮するために活用するのです。
やることがはっきりしているのなら家庭教師の先生にお願いするのも良いかも…
おすすめの家庭教師はこちらからどうぞ。
模試の結果は慎重に!
この時期の模試は特に扱いには注意しなければいけません。
合格可能性確率や出来の悪さに目がいってしまいがちですが、以下のことをあらかじめ決めておくと良いでしょう。
- 志望校はできるだけ変えない
- 合格可能確率は参考程度に見る
- 苦手単元のあぶり出し
- どんな結果でも子供には前向きな声がけを!
ここまで頑張ってきて、この時期でも受験を断念してしまう方が毎年います。とても残念です。
とにかく子供のモチベーションをダウンさせないことが第一優先です。
むしろ毎回の模試の後に「どうやったら子供のモチベーションが上がるか」を考えて伝えるようにしましょう。
【中学受験】6年生の年間スケジュール|直前期(12月~1月)の過ごし方
いよいよ入試直前期です!
ここでの注意点は以下の通りです。
- 小学校をいつから休むかを決める
- 出願や入試期間(1月受験も含む)のスケジュールを立てる
- 子供に特別なことをしない
小学校をいつから休むかを決める
これについても以前twitterに書いています。
最近のコロナの状況を考えるともう少し早くからというご家庭も増えるかもしれません。
小学校は休むとして何をやらせようかしら…
私は早く起きてしっかり準備をして、入試と同じ時間、科目の順番、休み時間も同じにして家庭で「プチ入試体験」を毎日やることをおすすめします!
出願や入試期間(1月受験も含む)のスケジュールを立てる
親の大きな仕事がやってきました。
1月受験や2月の入試のスケジュール作りです。
1月受験(お試し受験)についてはこちらをご覧ください。
2月のスケジュールで最低限やっておくこと
- 写真を撮っておくこと(急な出願に備えて多めに)
- 願書はWebが最近は主流ですが今一度チェック
- 願書の受付期間の確認
- 併願パターンの最終確認
- 試験日・発表日・手続き締切日などの細かい点を確認
- 中学校までの経路確認
- 電車の時刻表を確認
- 午後受験をする場合は経路や時間の確認
- 父親の予定の確認(誰が連れていくか)
- 発表はどこで誰が見るか
- 車で行く場合は駐車場も複数チェック(学校の近くは混んでいることも)
- お弁当いる?いらない?
- 子供のテスト中に親は何をすべきかを確認(どこ行く?手続きは?) などなど
やばい…クラクラしてきたわ…
子供も頑張ってますよ!お母さんも頑張りましょう!
子供に特別なことをしない
入試前になると親心でいろいろと普段しないことをしてしまいがちです。
こういった特別なことは子供に良かれと思ってやっていても、実は子供に無言でプレッシャーを与えてしまいます。
なんかいつもと違うと緊張しちゃう…
心配な気持ちは分かりますが、子供の前では普段通り笑顔で接してあげることがとても重要です。
過去に子供を応援したいの一心で、毎回の塾のお弁当のご飯の上に「あと〇〇日」と海苔を切って貼ってあるのを見かけたことがあります。後で子供に聞いた話ですが、親には言えなかったけど「本当はいつもお弁当の時間に母親からのプレッシャーを感じていた」と話してくれたことがあります。
【中学受験】6年生の年間スケジュール|受験生が合格を勝ち取るために!まとめ
今回は6年生の年間スケジュールを時系列を追って書きました。
新学年(2月~4月)
- 受験生なんだから…は禁句
- 志望校の(およそ)確定
- 習い事の調整
5年生の延長線上です!
前期(4月~7月)
- 塾の宿題が第一優先
- 算数中心の勉強をする
- ルーティン学習を欠かさず行う
- 公開模試に挑戦
新生活に慣れること!算数中心でやるべきことをしっかりやること!
夏休み(夏期講習)
- 夏は「受験の天王山」ではない
- 苦手科目・単元を把握する
- 実現可能な具体的目標を立てる
夏になったら急に気合を入れて勉強をするわけがありません。夏は子供の出来の確認と小さな目標を達成することが目標です。
後期(9月~12月)
- 勉強バランスの見直しをする
- 時間の管理をしてあげる
- 過去問題演習スタート
- 「やる気スイッチ」に期待しすぎない
- 人によっては問題集・家庭教師も活用
- 模試の結果は慎重に!
やることが急に増えます!お子様のモチベーション管理と体調管理が最大の親の役目です!
入試直前期
- 小学校をいつから休むかを決める
- 出願や入試期間(1月受験も含む)のスケジュールを立てる
- 子供に特別なことをしない
親の最大の仕事です!入試のスケジュール作成です。もうすぐです!頑張りましょう!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
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