【中学受験】5年生の年間スケジュール|メンタル管理と効果的な学習

中学受験 5年 年間スケジュール

中学受験において5年生は重要学年かつ最も難しい学年です。

最重要学年はなぜかというと、5年生の間で中学入試のおよそ7割の単元を習うからです。

生徒A君

え~~~!!

そしてなぜ大変な学年かというと、習うことは多くて難しいのに、入試まではまだ遠いので子供のやる気と内容が比例しないからです。

中だるみや、最悪の場合受験断念ということになる可能性が高いのも5年生です。

今回は、そんな大変な5年生の年間スケジュールの立て方(メンタル管理)、算数の学習法についてお話しします。

4年生の年間スケジュールはこちら

この記事を書いた人:さば先生

自己紹介
先生 さば

中学受験の塾講師として18年今までの教えてきた生徒数は3000名以上。教室長としても複数教場を運営後、算数の教科責任者として若手の育成や教材作成を手掛ける。現在は東京の有名塾の管理職かつ現役で教壇に立ち続けています!

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目次

小学5年生の理想の勉強時間

中学受験 勉強時間 目安 

5年生でも上の表のとおりの時間が確保できれば十分です。

おそらく塾の宿題をしっかりやればこれぐらいの時間はかかると思います。

さば先生

もちろんこれより多い分には構いませんが、あまりやらせると6年生まで持ちません。適度に緩めることも5年生には必要です。

詳しくはこちらもご覧ください。

小学5年生の年間スケジュールを立てるときの注意点・メンタル管理法

小学5年生の年間のスケジュールを立てるとき(メンタル管理)の注意すべき点は以下の通りです。

  • 生活習慣の見直しをする
  • 習い事の整理をする
  • 公開模試を受験する
  • 中学受験をする覚悟を決める
  • ルーティン学習に理社を追加する
  • 第一志望を決める

生活習慣の見直しをする

さば先生

4年生との大きな違いは各塾で授業時間が増えます!通塾曜日が増える場合もあります。

塾の生活が大きく変わります。

自宅の勉強のスケジュールはもちろんですが通塾日数、授業時間、模試の頻度、選択講座の増加など大きく変わります。

それによって以下のものも変わります。

  • ご飯の時間
  • 就寝時間
  • 小学校の宿題をいつやるか

お子様に合った最適な過ごし方を見つけていきましょう。

習い事の整理をする

塾の生活が忙しくなるので習い事も多くを続けていくことは物理的に難しくなります。

生徒A君

どれも辞めたくないな~

こうならないためにも計画的に習い事を整理していきましょう。

さば先生

個人的には習い事をすることで、勉強に役立つことは多々あると思っていますので、すべてをやめる必要はないと思います。

公開模試を利用する

子供は実践練習で鍛えられることもあります。

普段の通い慣れた場所、仲間と模試を受けることも大事ですが、5年生であれば公開模試にチャレンジをすることを検討すると良いです。

さば先生

見知らぬ場所、まわりの子も知らない子だらけという環境はとても刺激的で入試の練習にはもってこいです。

何を受ければよいかとお悩みの方はこちらの記事もお読みください。

中学受験をする覚悟を決める

冒頭でも述べましたが5年生は精神的に一番きついです。

6年生ではないので受験までが遠い、そして4年生に比べて圧倒的に内容が難しい。

その時に必要なのが

中学受験をするという覚悟を持つこと

これがないとなかなか頑張ることもできませんし、最悪中学受験を断念という事態にもなりかねません。

保護者

ここまでやってきてそれはキツイわ…

そうならないように家族で中学受験をするんだ!という覚悟を決めましょう。

ルーティン学習に理社を追加する

4年生から理社を始めている方も多いとは思いますが、本格的にルーティン学習に理社を加えるべきです。

一日15分の暗記タイムを作りましょう

まだ5年生だと理科も暗記ものが中心です。

さば先生

一日に60分勉強するなら15分✕4日間の方が効果は倍増です!

あくまで算数中心は変わりませんが理社は足を引っ張らない程度に日々学習していきましょう!

第一志望を決める

ここでいう第一志望校はあまりにかけ離れた目標ではなく、ある程度あなたのお子様の成績を加味した志望校です。

目安としては

子供の偏差値+5~+10ぐらいが理想

さば先生

やはり第一志望校を決めることが子供の何よりもモチベーションになります。

もう一つのポイントは家族内で全員が納得して応援してあげる志望校にすることです。意見が食い違っているとなかなか中学受験はうまくいきませんよ…

【算数】小学5年生の年間の学習のポイント|前期

小学5年生の年間の算数の学習のポイント(前期)をまとめていきます。

※カリキュラムは四谷大塚の予習シリーズを参考にしています。

倍数と約数

4年生時代に比べてバリエーションが増えていきます。

さば先生

ここは勉強量がそのままテストの点数に表われます。

ある程度のパターン学習が効果的です。

数の問題は何となくできる、の状態になることが多いのでできれば子供に何でそうなるのかを説明させてみると良いですね。

いろいろな図形の面積

ポイントは

  • 補助線
  • 等積変形
  • 合同

難関校になればなるほど重要な単元です。

さば先生

まさかとは思いますが、三角形やいろいろな四角形の面積を覚えていない場合はまずはそこからしっかり確認しましょうね。

生徒A君

ギクッ!

割合

割合・百分率・歩合が登場します。

どれもこの後の勉強に必要な大事なものです。

あまりもとにする量とか比べる量とかの用語は意識せずにいきましょう。

もうひとつは線分図を活用して解く問題。

さば先生

この辺は入試の小問集合でもよく出てくるのでしっかりと線分図を書けるようにしておきましょう。めんどくさくて書かないのは厳禁です!

差集め算

算数で大事なこと

等しいもの・差に注目する!

この差に注目していくのが差集め算です。

差集め算はいろいろな解き方があります。

  • 線分図
  • 面積図
  • 図(絵)で表す

どれでも良いです。

子供が一番分かりやすい解き方を探してあげるのがこの単元のポイントかも知れません。

濃さ

基本は割合です。

面積図や6年生になるとてんびん図などがありますが、大事なことは食塩水の中に食塩がどれだけ解けているかがこの単元の本質です。

さば先生

出来が悪い子ほど面積図やてんびん図などの解法(やり方)ばかりを覚えて、ただ解くだけになってしまいますので注意が必要です。

売買損益

この単元は4つのことをうまくまとめられるかどうかです。

  • 原価(仕入れ値)
  • 定価
  • 売値(売価)
  • 利益(損失)

問題文が長くなればなるほど「整理する力」で点数が大きく変わります。

生徒A君

たしかに問題文が長いと頭がゴチャゴチャになる~

多角形の回転移動

移動には2種類あります。

  • 平行移動
  • 回転移動
生徒A君

回転移動のが難しそうだな…

実は回転移動の方が簡単です。

なぜならポイントはこれしかないからです。

どこを中心にして半径いくつの弧を描くか?

さば先生

いつでも回転の中心と半径を意識して問題を解きましょう!

円の回転移動

円の回転移動は図形の外側を通るときと内側を通るときの2種類をマスターしましょう。

作図が命です!

しっかりと作図して丁寧に式を作って解きましょう!

☆式を作るときのポイント☆
長さを考えるときは直線と曲線を分けて考えるようにしましょう。これで間違いを減らすことができますよ!

また、円の回転移動で使える便利な「センターラインの公式」があります。

さば先生

機会があればどこかで説明します!

場合の数

4年生で習った樹形図がメイン⇒計算がメインに変わります。

計算で答えを出すことはとても楽で良いのですが、あくまで樹形図が基本です!

さば先生

特に難関校を目指している方は、計算で簡単に答えが出るような場合の数は入試には出ません。樹形図の確認を今一度しておきましょう。

難問になればなるほど「樹形図」と「場合分け」が必須です。

速さとグラフ

まずは単位換算から復習を!

そして速さの三公式は覚えるというかイメージで解けるようにしましょう。

ダイヤグラムは慣れるまで時間がかかりますが、とにかく書いてみる事が大切です。

ポイントは以下の通り

  • フリーハンドで書くこと
  • 全体をイメージしてから書くこと
  • できるだけ大きく書くこと
  • 速さの大小を意識すること
  • 数値を全て記入すること
  • 実線と点線を使い分けること

水量の変化

ポイントは

正面から見た図を書くこと!

これは水そうの問題だけではなく立体図形の問題でもよく使う手法です。

比はまだ習っていませんが、例えば5cmの深さに水を入れるのに7分かかるとすると、同じ底面積なら15㎝の深さに水を入れるのに3倍で21分必要みたいな感覚は結構大事ですよ。

数列と数表

規則の色々な有名問題が登場します。

メインどころは3つです。

  • 三角数
  • 四角数
  • 群数列(組数列)
さば先生

最低限この3つはマスターしておきましょう!

詳しくはこちらをご覧ください。

点の移動

生徒A君

いよいよ点Pの登場か!

点の移動=速さ+図形

重要単元の2つを合わせた単元なので重要なのは言うまでもありません。

点の移動で大事なことは

点が頂点につくと変化が起きる!

さば先生

各頂点についたときどんな変化が起きるのかをいつも意識しておきましょう!

小学5年生の年間の学習のポイント|夏休み

夏休みの過ごし方で大事なポイントをいくつか挙げておきます。

  • 「夏は受験の天王山」なんて考えない
  • 前期で不安な単元を一つか二つつぶす
  • 遊び4:勉強6で十分
  • 志望校の近くへ行ってみる
  • 規則正しい生活をする

まだ5年生です。

勉強ばかりにならないように注意しましょう!

さば先生

6年生でも、まだ夏は勉強に対して本気にはなっていませんからね…

ぜひ、志望校へはモチベーション維持のために連れて行ってあげると良いですね。

【算数】小学5年生の年間の学習のポイント|後期

5年生年間の算数の学習のポイント(後期)をまとめます。

※カリキュラムは四谷大塚の予習シリーズを参考にしています。

とうとう比が始まります。

6年生の算数は「比」といっても過言ではありません。

さば先生

速さや図形などでも比を多用していくことになりますので超重要単元となります。

序盤は簡単ですがしっかりとマスターしていきましょう。

平面図形~相似~

相似はいわゆる拡大(縮小)コピーです。

見分け方は

三角形の角度が同じかどうか

基本形の2つを確実に出来るようにしましょう。

  • 砂時計(クロス型)
  • ピラミッド型

この基本型の相似比、面積比をしっかりできるようにしましょうね。

平面図形~底辺の比と面積の比~

さば先生

ここは相似と混同しやすいので注意が必要です!

底辺の比=面積の比が成り立つときは

三角形、四角形の高さが同じとき

相似と絡めて出題されますのでしっかりと区別をしていくことが大事になります。

速さと比

ポイントは2つです。

  • 時間が一定
    速さの比=距離の比
  • 距離が一定
    速さの比と時間の比は逆比

ここも覚えるのではなく、時間が一緒なら速い人のが多く進むよね!距離が一緒なら速い人の方が早く着くよね!と理解させましょう。

前期の速さの単元の知識は分かっていること前提で進みますので以前の内容を確認してから授業にのぞむと良いですよ。

図形の移動

前にやった点の移動と回転移動の応用と図形の平行移動が登場します。

生徒A君

ここの単元は難しくてきついよ~

かなりしんどい単元です!

ここは普段より時間を取ってひとつひとつをしっかり確認しましょう。

新しく出てくる平行移動は習いたての相似も多く使います。

仕事算

入試でも頻出の単元です。

具体量ではなく比や割合で解くことになりますので、苦手としてしまう子も多いです。

さば先生

仕事算はそこまで難しい問題は中学入試では出題されませんので得点源になります。

仕事の全体量と各人の1日当たりの仕事量を出してから問題に向き合っていきましょう。

容積~比~

ここは差がつく単元です。

差がつくというのは得点というよりも解法の差が生まれやすいところです。

比の感覚をいかに持っているかです。

さば先生

同じ底面積で高さが3倍になったら時間も3倍かかる!のような感覚です。

塾で見ていると、女子の多くが比を使わない方が解きやすいという子が多い気がします。こういった場合は無理に比を使わずに面倒でも、底面積×高さ=1分間に入る水の量×時間で解くのもOKです。

整数の分解と構成

素因数分解をテーマとした整数に関する問題です。

ここも重要な問題は多いですが、苦手な子は理屈よりも解法を覚えるくらい学習量を増やす方が点数にはつながります。

この単元に興味を持つ子は今後がとても有能です。

その場合はいろいろと親が話をしてあげると能力がグンと上がります。

生徒A君

僕はまず慣れて解法を覚えていきます…

立方体と直方体の切断

切断は難しい問題も多いですが、切断に関してのルールは3つしかありません。

  1. 同一平面上の点を結ぶ
  2. 向かい合う面にできる線を平行に引く
  3. 延長して同一平面に持っていく

詳しくは下の記事も読んでみてください。

【中学受験】5年生の年間スケジュール|メンタル管理と効果的な学習|まとめ

勉強時間に関しては

平日=2時間 休日=3時間は確保

年間のスケジュール(メンタル管理)で大事なことは

  • 生活習慣の見直しをする
  • 習い事の整理をする
  • 公開模試を受験する
  • 中学受験をする覚悟を決める
  • ルーティン学習に理社を追加する
  • 第一志望を決める

中だるみや受験断念を防止するために策をいろいろ練ってみてください。

算数の学習内容については

5年生の内容=そのまま入試に出題

出来ないものがあるのは当然です。

全部をできる必要はありませんが、何ができないのかはしっかりチェックをしておきましょう。

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。

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